メンタルトレーニングの現場から最新情報

企業メンタルヘルスご担当者向け情報 「脳科学メンタルトレーニングが考える0次1次予防対策に必要なメンタルテクニックとは」

 数年前から、政府はすべての企業にストレス診断テストを義務化しようという動きがあることは、企業メンタルヘルスご担当の方ならご存知と思います。

 私も厚労省などの情報をいろいろ調べています。今年の国会に法案が提出されるのか、まだまだよくわからない状況のようですが、おおまかにわかってきていることは、次のようなことです。

・あくまで従業員自身が自分で今の自分のストレス状況を知っていただくためのもの。つまりある意味でのセルフケア用に使ってもらうためのものだということ。

・診断テスト自体は、10問前後のごくシンプルなものだということ。

です。

 私はこれを知って、次のようなことを連想しています。

ストレスそのもの自体は、よいものと悪いもの、の2種類がありますが、たぶんこの診断テストでは区別がつかないだろう、ということ。そして、ただ単にストレスがたまっている、ということだけが広まっても、その後、どうしたらいいのかという方法論が広まらない限り、医者に行く、というような選択肢しか知らないようでは、企業も本人も困るのではないか、ということです。

 ではどうすればよいのか。結論から言いますと、私は、ストレスにはよいものと悪いものがあり、扱い方によってはよいストレスに変えていくことができる、というその方法論を教えていくという本当の意味での0次1次予防対策を広めることが重要だということです。

 弊社、脳科学メンタルトレーニングの顧問をしていただいている、筑波大学名誉教授である、宗像恒次博士による、ストレス関数理論によると、ストレスとは、良いストレスと悪いストレスがあり、一定のテクニックを身に着けることにより、悪いストレスを良いストレスに変えていける、ということです。

 ストレス関数理論とは、次のようなものです。

ストレス=f(D.P.S) 定義・宗像 恒次

 D=Demand(要求)  P=Predictability(見通し)  S=Support(支援)

 ストレスとは、D P Sの3つの変数の関数として表すことができると言う、理論です。

本来、ストレスそのものは、悪いでも良いものでもありません。その人が、それをどのように認知するかで、よいものにも悪いものにもなるのだということです。

 例えば、1週間後に仕事の納期があるとして、そのストレスは、ある人にとってはがんばる、という自分が成長するきっかけを与えるものにもなるし、別の人にとっては嫌だ、逃げたいと感じるものにもなるのですね。

 この差は、その人が、D、P,S の3つをどうとらえているのか、という差によるものだ、ということです。

 Dとは要求ですから、仕事で具体的に要求されているものは何ととらえているのか。そしてPは見通しですから、そのDを達成する見通しをどの程度持ててているのか。最後に、Sは支援ですから、気持ちを聞いてくれる支援とか、具体的なアドバイスをもらえるという支援が、どの程度あると感じているのか、という3つの関係性で決まるということです。

 たとえば、D↑P↓S↓ と感じている人、つまり、要求は高いが見通しはなく、支援もない、と感じている人は、この仕事のプレッシャーを、苦しい、逃げたい、と感じるわけです。このストレスを悪いもの、と感じるわけです。

しかし、一方、D↑P↑S↑、つまり要求は高いが見通しはあり支援も十分にある、と感じている人は、この仕事のプレッシャーに対して、よしやるぞ! ととらえることができるのですね。

 そしてなぜ、このような差ができるかというと、D,P,Sの3つをどのように扱うとそれぞれの、矢印を良い方向に変える事ができるのか、という理論とテクニックを知っているかどうかによって決まるのです。

 ひとつだけ具体例を言うと、たとえば「P=見通し」とは、成功経験のことですが、その仕事を成功させる成功経験が本人にあれば見通しは立ちますが、ない場合は経験している人から聞き出せるか、過去の事例を知っているか、それを書いた本を知っているか、どこに行けば学べるかを知っているか、などがあれば、見通しが立つと思います。

 D↑であっても、P↑であれば、たとえS↓ であっても、つまり支援者がいなくても、2つの矢印が上を向いていれば、メンタルヘルス不調には陥らないのです。

 こういったストレスを良い方向のストレスに変えていける、実践的な「技術」を知っているかどうかで、ストレスそのものを自己成長の機会に変えていけるわけです。

 政府が導入しようとしているストレス診断テストは、ただ単に「ストレスがたまっている」という指標を表すものにすぎませんが、ストレスには良いものと悪いものがあり、それは変える事が出来るんだ、という方法論がない、というのはこういう意味です。

 この方法論を知らないと、ただ単にストレスは悪いもの、というイメージになり、医者に行きなさい、などという指導になるのかもしれません。

 ストレスとは、扱い方によって、ぞの人の成長させるエネルギーに変換できるのです。

こうした理論やテクニックを、弊社は、多くの企業で0次1次予防対策セミナーや、Eラーニングで提供していますが、こうした実践的な技術をベースとした予防対策が今後重要になるのではないでしょうか。

 *脳科学メンタルトレーニングに関する資料をお送りします。こちらのお問合わせフォームからどうぞ。

2014/04/06

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