企業メンタルご担当者様向け「科学の視点でストレスをとらえると、うつやメンタル不調をより効果的に早期予防できる
先日、メンタルへルスに関する日本で最大の展示会「メンタルヘルスケアジャパン2015」というイベントに出展した際、感じたことを前回のブログやメルマガに書きました。
感じたことをあらためて簡潔に書くと、次のようになります。それは、
「今までの対処法には、皆、なんとなく失望しているのではないか」
ということです。これは、私たちのブースに立ち寄られた方々とお話ししているとわかることでもありますし、また、私がお付き合いしている多くに企業のメンタル担当者の方々とお話ししていると、実際にそういう話をお聞きするからです。
今、行われている対処法とは、なんかはっきりしないですよね、と。
なぜ、こんなふうに感じるのかと言うと、私が思うには既存のメンタル対処法は、対策の実施前後の改善状況を可視化していないということ、そして、メンタルとは何によって引き起こされるのかについて、客観的に説明できるものがない、と言うことではないかと思います。
弊社ではもともと'90年代には、現在よく広まっている認知行動療法と言うものを行っていました。しかし、弊社顧問である、筑波大学名誉教授・宗像恒次博士が、脳、免疫、内分泌などの研究を進めるうちに、ヒトの根源的な「認知」とは、感情の発電装置と言われる扁桃体(へんとうたい)が担っている、と言うことがわかってきたのです。
扁桃体を様々な視点から研究するうちにわかってきたのですが、たとえば、扁桃体とは、0歳から成長し3歳で完成する組織だということがわかったこと、ヒトは3歳以前の記憶は言葉によらないイメージの記憶として持っているということ。
うつの方は、脳内を視覚化するfMRIを使って観察すると、扁桃体が激しく興奮しているということが確認できること。
3歳以降の「言葉による記憶」とは、3歳以降に完成する脳の海馬(かいば)という組織に貯蔵されていること。ということは、私たちがもともと行っていた認知行動療法とは、私たちのあやまった「言葉によって記憶された解釈のゆがみ」を修正しようとするものですが、これは海馬に記憶された記憶修正を行おうとするもので、扁桃体とは海馬記憶の修正とは関係なく興奮すること。
2013年10月20日にNHKスペシャル「病の起源 うつ病」をご覧になった方はお分かりと思いますが、この番組ではうつ病とは、扁桃体興奮によって引き起こされるという欧米の科学者の様々な研究が紹介されていました。
この番組で紹介された欧米の科学者によると、扁桃体は「魚」にもあるのです。
つまり、魚は「考えて」逃げるのではない、ということ。解釈のゆがみがあって、魚は逃げるのではないということ。まわりの刺激に対し、本能的にパッと逃げるのですね。
扁桃体とは、感情を発生させる組織ですが、「3つ子の魂、百までも」と言う日本語のことわざがあるように、ヒトの基本的な感受性を作っているところなのです。
生まれたての赤ちゃんは、人見知りする赤ちゃんもいれば、しない赤ちゃんもいます。うつやメンタル不調に陥りやすいヒトとは、他人の言動に敏感に反応する感受性を持っているのですが、これは3歳までで作られている、つまり扁桃体が基本的な感受性を担っている、と言うことです。
私たちの「感じ方の認知=感受性」が、考え方の認知をつくり、そして行動パターンを作っている、と言うことを意味している、と脳科学メンタルトレーニングでは考えているのです。
つまり、認知とは、感じ方の認知が基本であり、感じ方の認知とは扁桃体の感受性によって作られているというのが、脳科学メンタルトレーニングがとっている立場です。よって扁桃体興奮を鎮めることができると、認知のゆがみを修正できる、と考え、そのためのトレーニング法が、宗像恒次博士によって開発されているのですね。
もちろん、私たちが今まで行ってきた「考え方の認知」を修正するという従来型の認知行動療法は重要です。ですが、扁桃体の感じ方の認知を修正する、というトレーニング法を基本に活用する法が、大きな効果をもたらすことが研究の結果わかってきたのです。
感じ方の認知を変えないと、考え方の認知を変えることは非常に難しいからです。頭では分かっているのに、変えられないということはよくありますよね。これがそういうことです。
そして、扁桃体興奮の状態を測定できる診断テストが宗像教授によって開発され、よってトレーニング実施前後の改善状況が可視化できる、ということになったのです。
考えてみると、今までのメンタルヘルス対策には、科学の視点があまりなかったのではないかと思います。だからなんとなく、皆が今一つ納得できない部分があったのではないでしょうか。
このことをひしひしと感じたのが、メンタルヘルスケアジャパン2015の展示会に出展して強く感じたことなのでした。
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2015/06/14