企業メンタルご担当者様向け「自分自身の”取扱説明書”をきちんと作ると、早期予防や再発防止が確実になる」
弊社は、脳科学に基づくメンタルトレーニングを個人向けに実際に行ってメンタル早期予防を行ったり、復職を早めるという支援をしていますが、と同時に力を入れていることがあります。それは、
本人に、自分自身の取り扱い方をストレス科学にもとづいてしっかり理解してもらい、それに沿って仕事や生活を組み立ててもらう、という支援を行うことです。
なぜ、ここに力を入れているかと言うと、それは本人に自分自身の課題をしっかり把握していくことが、メンタルの予防や再発防止には重要だと考えているからです。
メンタル不調になった時に、休職するとか、または復職時に部署を変えるなどの方法はよくとられていてこのこと自体はよいと思いますが、本人や周りの方が、そもそも本人にはどんな課題があって、どういうことに気を付けなければならないのか、ということがしっかりわからないと、また同じようにメンタル不調を繰り返す事になるからです。
ストレス科学、ということばはあまりお聞きになったことがないかもしれませんが、筑波大学では科学的にストレスを研究し、その対処法が宗像恒次名誉教授によって開発されています。
ストレスと言うと、なんだかあやふやなイメージがああるかもしれませんが、実際には、ストレスとは体の生理データとしてはっきりと表れるもので、それゆえ、再現性ある方法としての対処法はきちんとあるのです。
対処法はたくさんあるのですが、そのうちの一つを今日は簡単にご紹介します。宗像博士が開発した「ヒトの性格の核である気質」を遺伝子の観点から分析して作り上げたストレス対処法です。
脳神経学や遺伝学などの科学的研究により、生み出されてきたストレス対処法が、DNA気質ストレス対処法です。
ヒトの性格とは、親子関係でも作られますが、もう一つの要因は、そのヒトが生まれながらに持っている、DNA、つまり遺伝子によって規定されているという面があります。
たとえば、サルを見るとよくわかるのですが、チンパンジーとゴリラ、オランウータンでは、同じサルと言っても行動パターンが全く異なります。社交的でにぎやかなチンパンジー、行動がゆっくりして群れを強い秩序で統率するゴリラ、群れを作らず単独で森の中で暮らすオランウータン、というように。
これらの性格の差は、遺伝子の差なのですね。この3つのサルの遺伝子は、人間にも入ってきているのです。どの遺伝子の作用が一番強いかを独自の診断テストを用いて調べて、その人自身の「取り扱い方」を本人に知ってもらい、科学的なセルフケア法を身に着けてもらうということが目的です。
たとえば、日本人にはオランウータンの遺伝子を持つ人の割合が非常に多いことが宗像博士の研究でわかっています。
オランウータンとは、一人で自分の世界に浸って内省的な時間を過ごす、という傾向が強い人のことです。いわゆる職人肌の人がこういう人に相当します。
遺伝子的は、鎮静物質であるギャバという物質と結びつきにくい遺伝子があると想定されているのですが、この意味とはどういうことかというと、一度緊張すると鎮静化しにくいので、そのため「ヒトを避ける」という行動をとりやすい、と言うことです。
研究職、専門職の人に多いのです。一人で一つの分野を深く追及していくことが好きなのです。
私は、介護の企業の研修やメンタルフォローを今も行っていますが、介護の世界は、本社の人を除くと、ヘルパーさんなど、専門職の人が多いのですね。
しかし、日本のマネジメントでは、一定の年齢になると管理職になったりします。すると、彼らにメンタル不調が起きやすいのです。なぜか。おわかりのように、オランウータンタイプは、ゼネラリストには向かないからです。
人を統率したり、人前に出てみなをぐいぐいひっぱたり、皆に気を使ってフォローしたり、などのことは、このタイプの人にとって非常にストレスになるからなのです。
このことを知らずにいるとどうなるかと言うと、休職したり部署を変えても、また同じことになってしまうのです。アドバイスとしてはどういうことを行うかと言いますと、たとえば次のようなことをします。
・1日に一人の時間を必ず持つようにすること。
これをするとこのタイプの方は癒されますが、もてないとものすごいストレスを感じます。なので、会社帰りに喫茶店によって一人になる時間を持つとか、一人で飲みに行くとか、一人でパチンコに行くとか、なんでもいいのですが、必ず一人の時間をとる、と言うアドバイスをします。これを毎日の生活の中で仕組みとして持てていない人がメンタル不調に陥りやすいのです。
・紙やメールを活用したコミュニケーションを行う
このタイプの方は、口数が少ない人が多く、よって必然的に周りが、よくわからないという印象を持ちます。よって、まわりに自分自身の意思をきちんと伝える手段を持つということが重要なのです。
オランウータンタイプは、アサーションが非常に苦手です。テクニックを知らないというより、そもそも「口で言う」ということが非常に苦手なのです。ここを無理強いすると、本人はものすごくストレスを感じます。
よって言いたいことは書面にして伝え口で補足するとか、メールで伝えるなど、の仕組みを自分で持つことが重要なのです。
・面倒見のよい人をメンターとして持つ
このタイプの方は、面倒見の良いタイプ、サルで言うとゴリラタイプの相談相手を持っているかどうか、で、メンタルが非常に安定します。世話好きなゴリラタイプと、強い相手に庇護されたいオランウータンタイプは非常に相性が良いのです。ゴリラは相手の気持ちを「察する」能力に優れていますので、意思表示が苦手なオランウータンは、「察してもらえる」ため、非常に癒されるのです。
よってこのタイプの方には、こういう人を組織の中に持つことを強くお勧めします。世話好きな人とは、必ず会社の中に存在します。その方を一緒に探すのですね。
・定期的に報告する仕組みを作る
このタイプの方は、一日中、だれともしゃべらなくても平気なので、周りの人がこの方が何を考えているのかがわからずに困っていることがよくあります。よって、業務報告の日誌をつけるとか、区切りで報告するとか、なにか仕組みとして報告するということを持つ必要があります。
これをしないと、周りの人がしつこく介入してきたりして、それが却ってこのタイプの人のストレスを自ら作り出す原因になるのです。
・スペシャリストとして活用する
これは企業側の事情が許せばですが、できたらこのタイプの方は専門職として活用したほうが、メンタル的には安定します。本人も管理職になるよりはそのほうがよい、と言うことは知っていますから、そういう活用法をしたほうがよいですよ、とアドバイスをします。
以上、ざっとこんな感じですが、まだまだいろいろあります。ヒトの遺伝子は、一つだけではなく、2つ3つが組み合わさっていることもあるので、そういう場合は、アドバイスはより細かくなります。
こういうアドバイスをして実際にそれを生活の中で仕組化されているか、と言うことを経過観察して、またアドバイスを修正する、ということをすると身についていくのですね。
メンタル不調に陥った本人の課題を明確にして、科学に裏付けされたセルフケア法を身に着けてもらう。いわゆる、そのヒトならではの取扱い法を身に着けてもらう、と言うことが、メンタル不調を防止する、本当の対策ではないかと思っているのです。
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2015/06/21